後ろのちょかべ

□#4:新しい友達
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「…ね、ねぇ」

勇気を出して、ちょかべくんに話しかけてみた。
消しゴムに書いてあった名前について聞こうと思ったのだ。

「ん?咲紀?」
「あ、あのね…」
「どうした?」

ニカッ!とした笑顔の彼に消しゴムの名前の真実を聞く勇気が出なかった。

どうしよう、本当に呪いの類だったら。
怖い怖い怖い…

そう頭を横切ってしまって言えないのだ。
さて、どうしたものか。

ちょかべくんは私が話し出すのをジッと待ってくれている。
…命令を待っている犬のようだ。

「う…えっと…」
「なんだー!元親ーー!!彼女かーー?」

行き成り、背中を叩かれた。
だ、誰だ!?と思って振り返ると、そこには(おそらく)クラスメイトの人が居た。
そういえば、さっきちょかべ君と一緒に居たヤンキーの1人じゃないか?

…あ、この人も眼帯してる。

ちょかべくんは小さく笑ってから、ちげーよ。と返していた。
すると、眼帯の人はつまんねーのと笑ってから、私に

「名前は?クラスはー…ここだよな?」

と聞いてきた。
こことは、今居る、私のクラスの事だ。

いや、普通、聞いてくる方が最初に名乗るべきだって、習わなかったのかなぁ?

「…仲本咲紀です」

すこし、緊張気味にそう答えると、眼帯の人はふーんとニヤニヤしながら答えた。
なんだ、この人。

「俺は、伊達政宗だ。Are you ok?」

何がAre you ok?なのか、さっぱりわからん。
あれか、自分の名前が覚え難いとでも思っているのか、この人。

だったら、大丈夫。
ちょかべくんの方が何倍も覚え難いから!!

そんな、思いを込めて

「お、OK」

と返したら、伊達くんはHAHAHAHA!!と笑い出した。
え、え、

状況がさっぱりわからない。


伊達くんは散々笑うとすっきりしたのか、はー…とか言って、笑って出た涙を拭いていた。

「お前最高だな」

伊達くんに指をさされそう言われた。
なんか、良くわからないけど、最高らしい。やったね…?

「おい」

不意に、少し不機嫌そうな声が聞こえた。
振り返ると、ちょかべくんがちょっと不機嫌そうに立っていた。

…あ、忘れてた。

「ご、ごめん…」
「怒るなって、元親ー…」

伊達くんは謝る気は無いらしい。
いやいや、貴方にも非はあるからね?思わずそうツッコミそうになった。

#4:新しい友達

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