ひかり輝くものがたり

□バンエルティア号ある日の出来事
1ページ/1ページ




「では本日の目標は目指せ依頼100件!!!今週中には4ケタ行きますよ!皆さんいいですかっ!?」

朝から熱血なチャットの朝食中のミーティングに、バンエルティア号の船員達はうなだれた。

「おい、今週っつっても今日と明日の二日間だけじゃん。無理だって4ケタは・・・」

朝から食欲旺盛なリッドが、自分の分の朝食を食べつくし隣で眠りこけるロイドの分のおかずに手を伸ばしながら言った。


「でも今月の依頼達成数が昨日までで750位だから、1日125のペースでイケるんじゃない?」

「どう考えても無理だろッ!!!」

ファラの発言にキールが盛大にツッコミを入れて、1日125のペースで依頼を片付けるにはどれ程の時間と人数が掛かるかを説明し始める。

「てかそもそも今125も依頼来てないんじゃない?ま、このあたしにかかれば一瞬でそのくらいの依頼増やせるけど」

「クレーム製造機は黙ってて下さい!」

チャットはハロルドに一喝すると、満面の笑みで食事中の双子を見る。

「なに、うちにはディセンダーが2人もいるんです。依頼の山だってすぐ片付けてくれますよ!ね、ノコさんニコさん」

チャットに見つめられたノコは目線を合わさずびくっとした。
双子の弟のニコは頭の上で罰点を作った。

「あー・・・今日は依頼NGで!オレら三週間ぶりのオフなんで、アワユキの方に紅葉狩り行ってきますから」

「えーっ二人だけなんてズルイヨ!!ボクも行く!!!」

マオが椅子の上に立ち上がる。

「マオ、行儀が悪いぞ座るんだ」

ユージーンの言葉にマオは大人しく従い席に着き、また、

「ねぇノコ良いよね?」

と意気揚々と叫んだ。
それにノコは笑顔で頷く、のを隣の席のニコが罰点で隠した。

「ハイ、NG!!!子供は紅葉狩りには連れていけません〜」

「何でョ!!!!!」

そこへパンパンと乾いた音が響く。チャットが手を叩いた音だ。

「ちょっとニコさん!!確かにノコさんは三週間ぶりのオフですけどニコさんは一回も仕事してないじゃないですか!」

ニコはそれでもあっけらかんとしてる。

「ハイハイ、で?それが?紅葉狩りに行っちゃいけない理由になるんでーすーかー、依頼はノコがやってたしノルマは達成したじゃん」

「だ、か、ら!何故ノコさんの達成した仕事をさも自分の手柄のような態度をとりますか!ノコさんもなんか言ったらどうですっ」

「あー・・・いや別にわたしは大丈夫だよ?害はないし、仕事好きだから!」

ノコは眩しいくらいの良い笑顔。

「あまーい!!!!甘い!!!クレアさんのピーチパイよりも甘い!!!」

「私のピーチパイそんなに甘かったかしら?」

クレアの肩をヴェイグが叩く。

「いや、クレアのピーチパイはうまい」

「ピーチパイの話なんかどうでも良いんですよ!!!!要はニコさんが仕事しろって事です!」

「おい!!!チャット!!!!クレアの侮辱は許さない!!!」

ヴェイグが勢いよく席を立つ。
チャットはそれをみてヒステリーに叫びだした。

「アァァァ!!!めんどくさい!!!ハイハイクレアさんのピーチパイは美味しいですよね!僕はクレアさんのピーチパイ大好き!クレアさんのピーチパイ世界一!!!」

ヴェイグはその言葉を聞くと、ウンウンと頷きながら大人しく席に着いた。

「あぁぁぁー!!!!!おいっ誰だよ!オレのエビフライ食べたの!!綺麗にタルタルソースまでいなくなってるぞ!!!!」

お次はロイドの悲鳴のような叫び声が響く。
リッドは知らんぷりで食後のみかんを食べている。

「あっロイド、わたしのをあげるよ・・・・ってあっ・・・・」

コレットが皿をロイドへ受け渡した時、肘でグラスを倒し、水が隣の皿の上に流れ込んだ。

「ちょ、それ僕の!!!僕のエビフライがぁぁぁぁ!!!!」

チャットが水浸しになったエビフライを悲しそうに見つめた。
ニコはそんなチャットを指差してケタケタ笑っていた。

「な・に!笑ってんですか!!!全部あんたのせいですよ!働けまじで!!!!」


「いや、オレは・・・正直働いたら負けだと思ってる。」


「ゲンドウのポーズすんな!アァァァ本当に腹立つ!!!ニコさん!依頼をやらなきゃ絶対に紅葉狩りには行かせませんからッ!!!!!」


「・・・じゃあこうしよう?アワユキから近い極門洞で仕事して、帰りに紅葉狩りして帰ってこよう?」

ノコが目をキラキラさせて提案した。

「・・・・・全然いいよ!良い案じゃん、ノコって天才」

ニコは語尾にハートがつきそうなテンションでノコの頭を撫でる。


「・・・・・・・・・・え、いや、あなたさっきまで働いたら負けって・・・・・。」

「・・・・・・え、あ、結果紅葉狩り行けるし、ノコと一緒なら仕事してもいっかなって。」






(なんか・・・僕もう・・・やだ・・・)(おやおや船長、同情しますよー!私が変わりましょうか?)(・・・・・・・・・うわぁぁぁん!!!)






*
書いてて本当にチャットが可哀想になった・・・(´;ω;`)
チャットガンバ←

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ