ひかり輝くものがたり

□俺は君のディセンダー
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まさか、まさかだって。


だってだって俺ってどこにでも居る超普通の平均的一般男子だし。

まぁ人よりちょっとネクラで引きこもりってのは除いてなんだけど、


取り敢えず俺は普通の人間だったわけで、うん、そう。


だからディセンダーなんて言われてしまったあかつきにはもうびっくりなんです。


本当に放心状態。



俺自身自覚ないし何かの間違いだと思うんだけど、
他人に言われるとなんかムカつくから飛び出して来ちゃった。てへ

まぁ、甲板なんですけどね、
引きこもりの俺にしては充分頑張った。てへ


「俺って実はディセンダーだったんだ・・・」

とか呟いてみる。だけども自分にそんな器あるとは到底思えんのです。

だって仕事嫌いだし、この通り卑屈だし

何よりさ、世界に危機が迫っているとしても

俺には関係ない話でしょって思っちゃう。

あぁ、俺


ディセンダーどころか、人としても充分最低なのに

何で、何で俺?



「あ、ニコ、こんな所にいたんだね」


いつもは愛しくて仕方ないその声が、なんだか今日は背中に突き刺さった。

本音言っちゃうと今一番会いたくなかった人だったかも。

「か、カノンノ・・・」

カノンノと目が合うと、飛びっきりの笑顔で駆け寄って来た。
いつもなら全然抱き締めちゃうんだけど今日はそっと目線をずらすヘタレな俺。


「ニコっやっぱりあなたはディセンダーだったんだね!」

さっそく核心突いてきましたっ!そういう所も好きです俺のカノンノ。


「いや、待って!セルシウスの間違いかもしれないし、俺がディセンダーって決まったワケじゃないし、」

むしろ間違いであって下さい。


「間違いじゃないよ。わたし分かるんだ。だってあなたほどディセンダーみたいな人いないもの」


カノンノはそっと俺の手を小さな手で包んだ。


・・・いや、違うよカノンノ。

俺はディセンダーらしくなんかない。


俺は弱くて卑屈でヘタレなただの人間。

今だってディセンダーって名前にびびってる。


もし本当に俺がディセンダーだったら、

いや多分本当にディセンダーなんだけど、なんか急にそんな気がしてきた。



きっと俺じゃあみんなの期待に応えられない。

みんなの期待に簡単に押しつぶされる。

そんときのみんなの目なんかきっとまともに見れない。

そんできっと逃げる。

何もかもから。



「不安・・・なんだね。」


カノンノの小さく呟いた一言に思わず顔を上げた。


バレてる!!!!!!!


「あなたの事だから、世界がどうなろうと関係ない。そう思ってるんでしょ」


これまたバレてるぅぅぅ!!!!!!


「だって、もしわたしがニコと同じディセンダーだったら。きっとそう思うもの」


「え??」


「ディセンダーだって普通の人間。ひとりの肩に世界を背負うのは、重すぎるよね」


カノンノは膝立ちになって俺をぎゅっと抱き締めた。

びっくりしたのと良い匂いがするのとで、ヘタレにも俺はかたまった。


「だから自分ひとりで抱え込まなくていいんだよ。あなたが支えきれないならわたしたちがあなたを支える柱になるから」


・・・やばい。深くにもじーんと来た。

ニコはカノンノの腰にぎゅっと手を回した。


「それに、もしわたしがディセンダーだったらニコだけは絶対に守るつもりだよ。・・・ニコは?」


「当たり前だよ、君の為なら世界だって守れる気がする!!」


あぁさすが俺のカノンノ。良い事言うし、可愛らしいし、ほんと世界一、お前だけは俺が守ってやるからな!

そして、結婚して家庭を持ち2人の男女の子に恵まれマイホームを買い、子供たちが成長し大人になるまで見守り、さらに家のローンを払い終えるまでは必ず世界は俺が守る!!!!!


「うれしい!!ニコっ」





(ニコちゃんっ聞いてっわたしもディセンダーなんだってー!双子ディセンダーの誕生だよ〜)(えっノコも!?はぁー・・・そんなこったろーとは思ったよ〜まじビビらせんなセルシウス〜)(うんっだからわたし頑張るよっ頑張って世界救うよ!!)(さすがお姉ちゃん!なんか俺ホッとしたわぁ、いきなり肩軽ぅ!)(もうっノコ!それはしばらく内緒って言ったでしょ!せっかくニコやる気でたのにぃっ)









*

弟君が予想以上にだめ男でびっくりした。もっとシャキッとして欲しい。でも弟君が他力本願なのはお姉ちゃんのせい。
お姉ちゃんが頑張りすぎるので、弟がだれるんです。
そしてうちのカノンノはしたたかなので弟君の扱いを世界で一番わかっている。






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