君のいる世界廻る星

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「おーい、カンナ!!カンナー!!」


静かな屋敷に響き渡る自分の名を呼ぶ声に、カンナは掃除の手を止める。

「早く来いよ、十秒以内に来ないとペナルティだかんなぁ!じゅーう、きゅーう、」


カンナは小さく舌打ちすると、モップ片手に階段を猛ダッシュで駆け上がる。
放っておいてもいいのだが、奴のペナルティはとんでもなく面倒なので最近は付き合ってやっている。

あぁ本当に大人な自分・・・。


「さーん、にーぃ、いー「ハイハイお呼びでしょうか坊っちゃん!!」

息を切らしながら、現れたカンナにスパーダは満足そうな笑顔。

「来たか、カンナ。暇だしツマンネぇからどっか出かけるぞ」

「えぇ、まだ一階の廊下掃除終わって無いんですけど・・・」

この通り、とモップを持ち上げて見せた。

「んなもんは帰ってからしろ。いいかぁ?お前の主人はオレなの、だから何よりもオレの命令優先なの!わかったら5分後に正面玄関!」

と一方的に言って自分はさっさと行ってしまった。


数週間程前に、カンナはスパーダに拾われ、それからベルフォルマ家の女中をしている。

はじめは助けてくれた恩人なので精一杯ご奉仕(笑)をしていたのだが、最近はこの通りの傲慢さに苛々を募らせる日々。


「ったく何だって言うんですかね。腹の立つ男ですよ」

カンナは渋々モップを片付けに1階へ下りた。



「来たか!」

玄関へ着くと、帽子をかぶって何となくいつもよりご機嫌なスパーダ。

「お待たせしました。」

ふたりは屋敷の玄関から敷地の玄関までゆっくりと歩みを進めた。

ベルフォルマ家は金持ちなので、その庭園を抜けるのにも数分歩かなければならない。
いつもならば、馬車を出すのだが、末っ子とその女中のささやかなお出掛けには必要なかった。

我が儘な主人の暇潰しの散歩がてらに下町を覗きに行くのだ。


「今日はどこまわるんです」

「商店街プラプラして、その後は・・・・メシでも食う??」

「シェフ特性のディナー待ってますから駄目です。坊っちゃんが食べなかったのどうなるかわかってます?捨てるんですよ」

「へいへいっと」


カンナがしつこく言い聞かせたせいか、スパーダは最近外食も外泊も控えるようになった。
カンナにしてみれば、ベルフォルマのシェフ程のディナーは外食よりもずっと立派だ。
自分達が口にするまかないでさえどのレストランよりも美味しいのに。


「・・・用がないなら海行きたいです。」

「海か、いいな、後で行くか」


今日のお散歩コースは商店街をぶらぶらからの海に決定した。


「坊っちゃん、見てくださいあれ、いま二段アイス買うと一個おまけに付いてくるんですって」


カンナは下町商店街のアイドル、アイスクリーム屋を指差した。味はもちろん、チープさから下町の子供たちのお小遣いでも買えると言う事で老若男女問わず人気な有名店。
全国展開してるとかなんとか。


「あぁ?シラネ」

が、そんなことには皆目興味ゼロなスパーダ。

「ちょっちょと行ってみましょうよ、ちょとだけ!!!」

カンナはスパーダの腕を無理やり引っ張ってアイス屋へ近づいた。
ケースの中には色とりどりのアイスが並んでいる。
食い付くように見ているカンナを横目にスパーダはにやついた。

「食べたいならそう言えよな」

「食べたいですっ!」

「即答かよオイ、そこはもっと可愛くねだれよ」

「ハッ・・・坊っちゃんはそういう女性が好みなんですか。浅はかでバカな男ですね」

「ウッゼェ!!!やだもうお前になんかなにも買ってやらん!!!!」


踵を返そうとするスパーダをカンナはがっしりつかむ。

「すいませんすいません、自分一度もこういうの食べた事なくて一度でいいから段々アイス食べたくて、買ってもらえると思ったら調子乗っちゃいましたまじ口が過ぎました浅はかでバカなのはこの自分です認めますすいませんでした。なので買って下さい。」

あまりにも必死なカンナに若干引いて、スパーダは買ってやる事にした。




カンナは超ご機嫌で鼻歌を歌いながら買ってもらった三段アイスを眺めてた。

「早く食わないと溶けるぞ。知ってる?アイスって溶けんだよ?」

「それくらい知ってますよ舐めてるんですか。・・・いやぁコレ見てくださいよおいしそうですね。」

アイスひとつでニッコニコのカンナ、案外単純な彼女にスパーダ小さく笑みをこぼした。


「だから早く食べろってば。・・・てかその気持ち悪ぃ色したの何味だよ。それ本当に人が口にしていいやつ?」

カンナの三段アイスは上からチョコミント、イチゴ、チョコと並んでいる。

「これですか?チョコミントですよ。一口食べます?」

「いらね、体内にカビ生えそ」

「・・・実はコレ、坊っちゃんに似てるから選んだんですよ。」

「おまえ、カビの何がどうオレに似てるっつってんだよコラ」


スパーダは軽くカンナをど突いた。カンナはそれに小さく声をあげた。


「ホラ綺麗な緑色で。スパーダの髪の毛そっくり、食べるの勿体ないですね」

カンナはアイスをスパーダに近付けながら柔らかく笑った。


「・・・・・・・・・・・ばーか、似てねぇっつの」

ちょっとだけ赤く染まった顔を背けて言った彼が、少しだけ可愛くてドキリとする。

と思ったら何かがボトリと落ちる。

嫌な予感しつつ、勇気を振り絞り目線をアイスに向ける。


「アアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

「うっわ!ビビった何だよ・・・ってあーあ、だから言ったじゃん早く食べろって」


カンナの足元にはチョコミントの亡骸が無惨に落ちていた。


カンナはすぐ様しゃがみ込んで、地面のチョコミントアイスに向かって叫ぶ。

「すっスパーダァァァァァァ!!!!!」

「ごめんね、今本当に殺意芽生えたからその手のボケやめてくれる?殴るか無視すんぞ」

「無視はやめてください。一番やっちゃいけないよ無視」

「知らねぇよ。オラさっさと食え、またいなくなるぞ」


カンナははっとして、溶けかけのアイスにかぶりつく。


「うまい!!!!スパーダ!これは新しい扉開きましたよ!!!」

「ハイハイ、ヨカッタネ。・・・ってたれてるたれてる!服着いちゃう!・・・ったくお前は要介護かよ」


スパーダは、アイスでべとべとになるカンナを介護←しながら、もうコイツにはアイスは買ってやらんと深く誓ったのでした。






*

終わりかたwww
残念すぎた終わりかたwww

どうもすみません。
知らないうちに書き直します。


拍手してくださったお客様、本当にがっかりクオリティですみません。
励みになります(´;ω;`)
ありがとうございますぅぅぅ

では、ごゆるりとお楽しみください!




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