途切れた微笑み

□途切れた微笑み 第五話
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 この気持ちを伝えようか迷う。

 迷惑ではないだろうか?

 最近、リタはそんなことを考えていた。
 カチェリィナ姫が王都ルルヴァースに帰ってから、2度しか会っていないディーンに恋焦がれている。
 優しく笑った瞳と、自分を労わる言葉をかけてくれた優しい声。
 自分の内に芽生えた恋心を、リタは愛おしいと思っていた。
 自分の思いを意識して、すぐにカレルからのプロポーズを断ろうと決めた。

 それならば、伝えるしかないのではないだろうか。

 リタは決心して、エリオットのところに向かい、休暇をもらった。
 目指す場所は、エバーズ男爵邸。
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