怪獣

□ラドン温泉湯煙事件・後編
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前回迄の粗筋―――

事件はここ、ラドン湯温泉旅館で起きた。
機龍がいつまで経っても個室203号室から出てこない。内側から鍵がかかっているので、呼び掛けたが返事が無い。
そこでラドンは合鍵を持ってきて扉を開いた。

するとそこには、血まみれになった機龍が倒れていたのだ。

第一発見者や、機龍の関係者が集う。
第一発見者はゴジラJr.…機龍と交戦した事があり、その際傷を負わされた。
ゴジラ…被爆前、後の機龍である初代ゴジラに、ラゴス島から避難しろと言われたのを断ったら怒鳴られたという。
ガメラ、モスラとバトラ…一応守護神なので、彼らにとって機龍は危険の種だ。
イリス…覗かれた恨みがある。
ラドン…器物破損の代償を未だ貰っていない。
そう、この場にいる誰もに動機があった。
「これは完全な密室殺人事件…そして犯人は、この中にいる。このトリック、絶対暴いてみせる。」
Jr.が全員の顔を確認する。
そして、
「じっちゃんの名に賭けて!!」
絶対どこかで聞いた事のあるような台詞を言う。
「じっちゃんの代だよ。」
突然、他殺されたはずの機龍が起き上がったのだ。にへらと相変わらず能天気そうに笑いながら。
「…冗談です。」
流石に悪乗りを後悔するJr.。どうやら機龍の血は芝居道具らしい。
「というか、既に死んでるだろ。」
ゴジラがボソリと突っ込んだのは言うまでもない。


「くっそー、こんなヤワな防壁壊れるに決まってんだろ。」
女湯と男湯の境には清々しい程盛大に穴が開いていた。軽く混浴である。
バトラはぶつくさ文句をたれながら竹や紐を持ってきて壁を編み直していた。
「ごめんなさいバトラ、私達を心配して来てくれたのに。」
「何、当然の事をしたまでさ。」

…あまりにイチャついてるので話を変えよう。
例の大破した卓球場とその大道具小道具。機龍が3か月分の給料をチャラにして、卓球場をしっかり使える状態に戻したのだ。
少し前迄は、戦闘に毎度特生自衛隊の予算を大量消費して案外懐が寒かったのだが、最近は忙しくないので貯金は出来ているらしい。
しかし、エネルギーをデストロイア戦で使いまくったので、機龍は補充しに帰っていった。
もう、何の為に温泉に行ったの?と聞きたくなる有様だ。


場所は戻って卓球場。
「遂に始まる…」
イリスはぽつりと呟く。
そう、ゴジラとガメラの対決。
「ゴジラ、ルールは分かっとーと?」
「機龍さんみたいにやればいいんだろ。」
「分かってねーじゃん!?」
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