異性恐怖症

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翌日

結局紫翠のことは天涯孤独でツナの同級生だったということしかわからなかった。
XANXUSが言っていた、「目が良い」というのは、視力もそうだが、動体視力のことだったらしい。
訓練すれば、強くなるだろう、とのことだ。

スクアーロはベルたちを集め、説明した。

「ってことはさぁ、紫翠は今は闘えないわけ?」

「そうなるな…

守護者になったからには闘わなければならねぇ…

ベル、教えてや「俺はやだよ、戦い方教えるなんて」

…」

「じゃあスク、あなたが教えればいいんじゃない?

ベルちゃんの闘い方は難しいし、あの子は術士じゃないからフランちゃんにも教えられないじゃない、私もあんな細い子に素手で闘わせるなんて、嫌だわ」

「まぁそうか…

…じゃああいつの修行は俺がやる。

ベル、伝えておけぇ」

ベルはあからさまに嫌そうな顔をしたが、すぐに紫翠の部屋へ向かった。

ドアをノックし、中にいるであろう紫翠に声をかける。

「紫翠ー

スクアーロが修行つけるっつってたぜ。

来い。」

部屋から返事が聞こえる。
ドアが飽き、隊服に身を包まれた紫翠が出てきた。

『遅くなってすみません』

「じゃ行くぞ」


しばらくすると、スクアーロがいる広間に着く。

「ここだ。

オレは任務があるから行くな」

死ぬなよ、ししっと言い残して行ってしまった。
紫翠はベルの言葉に生唾を飲んだが、覚悟を決めて扉を開けた。

『あの…ベル先輩から聞きました』

スクアーロは丁度剣の手入れを終わらせたところだった。

「お前、どれくらい闘れんだ?」

『武器は日本刀です。』

そして、手始めに手合わせをすることになった。

結果は手入れを怠った紫翠の日本刀が折れたことによりスクアーロが勝利したが、ほぼ互角。

「…っやるじゃねぇかぁ…

何故名前が知られていないんだぁ?」

『それは…殺しで稼いでいないからです。

無闇に殺しをするな、と言われたので』

紫翠は淡々と答える。

「…そうかぁ

ならいい。

修行はつけなくても大丈夫だろう

だが…経験が足りてねぇ。

しばらくは殺しの任務になるだろうが…」

『大丈夫です。

殺しは嫌いじゃないです。』

「ならいい。

任務は明日からだぁ

刀、手入れ怠るんじゃねぇぞ」

紫翠は一礼して出ていった。

掴めないヤツ、第一印象がそれだった。
表情を全く変えないし、口数も少ない。

「一体何者なんだぁ…?」

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