異性恐怖症
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言ってしまった。
過去の、話を。
ベル先輩は異性としても平気かもしれない、と思った矢先にバレた。
ベル先輩は結構優しいし、気を使ってくれる。
最初の頃なんて、フラン先輩にパシられてたのを助けてくれたこともあった。
嫌われた、よね…
私は、こんなにも汚い…
それにしても、長いこと男所帯にいたから触られても平気にはなったかな、って思ったのに、近づけないなんて…
さっき、私を運ぶために抱き抱えられたときは意識が別のところにいってたから平気だったけど…
あぁ、私本当に失礼だ。
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…気まずい。
まぁ確かに紫翠が女でも不思議ではない。
男装時の紫翠は妙に無口だし目付きかなりわりぃし。
きっと声の高さを隠すためと無理してでも目付き悪くしなきゃ女顔になっちゃうからだろ。
オレは今更、それに気づいたんだ。
紫翠は先輩にも一般隊員にも隔てなく優しいのに…
目の色だけで捨てられるなんて。
どんだけ壮絶な人生送ってんだ、オレが言えたことじゃねぇけど。
そんな静けさのなか、不意に紫翠が口を開いた。
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