book REBORN!

□キスの味
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『サイアク…』


ルッス姐が作ってくれた朝ごはんはテーブルに並べられてて、お米、鮭、お味噌汁、茄子の漬物だった。
日本での長期任務で食べた朝ごはんが美味しくて、真似たらしい。
何回か食べただけでこんなに旨く作れるなんて女のあたしでもできないよ。
和食はあたしも好き。
母国の料理だし。
でも茄子の漬物は…
食べれない。


とりあえず茄子の漬物を避けて、お米とかに手をつけるが、とうとう茄子の漬物だけになってしまう。
我慢して食うか、残すか…
迷っていると、フランが口を挟んできた。

「紫翠、漬物食べないんですかー?」

『………』

「もしかして…


茄子の漬物嫌いなんですかー?」



『…そ、そんなことないよ、むしろ大好物!』

茄子の漬物が嫌いなことがフランにバレると多分毒舌のお陰で心に大ダメージを受ける。
それは何としてでも避けなければ…!

「じゃあ、食べれますー?」

『当たり前!』

「へぇー?」


フランは疑いの目をしたままこちらをみる。
すると、突然黒い笑みを浮かべ、私に近づく。


『な、何?
いきなり…』

「手伝ってあげましょーか?」

『はぁ?何を…』

「ミーが漬物食べるの手伝ってあげますよーっ」

そう言って漬物をもって迫ってくる。


『いいよ大丈夫だってば!!

…ちょっと来ないでよっ!!』

「ほら、口開けてくださいー。

大好きなんですよねー?

漬物。」

『や、やだ。 ふ…らん、いやっ』

「はい、あーんっ」


フランが無理矢理私の口の中に漬物を押し込んだ。
吐くわけにもいかず、かといって飲み込めるほど小さくないから噛むしかない。
茄子の皮がキュって鳴る感じが気持ち悪くて、涙が出てくる。

「紫翠っ!?

泣くほど嫌いだったんですか!?


…すみませんー」


私を抱き寄せる。


『フランの馬鹿ぁ』

「悪かったって言ってるじゃないですかー」

『…うるさい』


フランにしがみついてた私を引き剥がし、唇を重ねる。

「ミーのキスは美味しいですかー?」

『…まずい』

「酷いですー」

『嘘だよ』


大袈裟にしょんぼりしたフランはぱぁっと顔を明るくさせ、また唇を重ねた。



→あとがき

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