book REBORN!

□最初に恋をしたのは私の方でした
1ページ/2ページ




雨の中、ミーは学校の帰宅途中だった。
酷い雨だ。
台風が近いのだから仕方ないのだけれど。
目の前を見ると、びしょ濡れで赤信号を待っていた同じ学校の制服の女子。


「どうしたんですかー?」


傘を忘れたのだろう。
そんなことは見ればわかる。
彼女は綺麗で、声をかけずにいられなかった。
一目惚れかも、しれない。

私ですか?
とこっちを振り向く彼女。


『傘を忘れて…』


「…傘、入ります?」


彼女は一瞬驚いたようだった。


『いいんですか?

あっでも悪いですよ、私びっしょびっしょだから。』


「大丈夫ですよー

どーせ家帰ったら着替えますし。

あと、敬語は無しで結構ですー」


彼女はうーん、と考えてからにっこり笑って言った。


『じゃあ、お邪魔さしてもらいます、ありがとうね』


傘を半分にしたが、彼女は鞄を濡らさないようにしているようだった。
そんなことしたら、体に雨がかかるというのに。


「鞄、濡れちゃ駄目な物が入ってるんですかー?」


『へ?

あぁ、ベストが入ってるの。

濡れちゃって明日までに乾かなかったら着れないでしょ?

今日はたまたまスカートのホックがとれちゃって、ブラウス裾から出して隠さなきゃ駄目なんだよ。
だらしない格好になっちゃって、恥ずかしい。』


彼女の格好を見ると、確かにスカートが少しでろーんってなってて、ブラウスを裾から出してて、ブラウスが透けてて、下着が見えた。
髪に水が滴って、官能的だ。
襲われそうな格好。


「まぁ確かに、そうかもしれないですー」



などと話していたら、彼女の家についた。


『本当にありがとう、助かった!!』


「いいえー

あ、名前教えてもらってもいいですかー」


『私は紫翠だよ!!

またね、フラン君!!』


「はい、ではー」

そう言って、彼女の家をあとにする。


ミーは全校に名を広めるようなことなんてしてない。
むしろクラスで1人地味ライフを堪能している。
そんなミーの名前を知ってるってことは…



期待してもいいってことですかねー?





→あとがき

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ