その雇用主は?(完)
□第2章・・・その怪しい男の正体は?
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――次の日の夕方、学校が終わった後、神は約束どおり浩二の家へ向かった。
〜ピンポーン〜
チャイムを鳴らすと、インターホンから浩二が返事をした。
「うあ〜〜〜い……」
何とも覇気のない返事である。
「あのっ、間宮です」
「ああ。間宮君か。開いてるから上がって、昨日の部屋で待っててくれ」
「あ、はい。おじゃまします」
言われるまま神は家に上がり、昨日面接を受けたリビングで浩二が来るのを待っていた。
待っている間、暇を持て余していた神は、部屋の中をグルリと見回す。
昨日は浩二の容姿のインパクトが強すぎて、部屋を見る余裕なんてなかったが、こうして見ると、かなり広い。
「リビングだけで何帖あるんだろ?」
思わず口にして言うと……。
「何帖だっけかなぁ。覚えてねぇなぁ」
息なり声がしたので、飛び上がる程驚いて、神は弾かれたように声の方に振り返った。
「え……とっ!?あっ…うっ……」
息なりの事で動揺した神は言葉が出てこない。いや、そんなことよりも、もっと呆気に取られてしまったのだ。
昨日に増して、浩二の姿は異様な雰囲気を放っていた。