魔法学校……

□お花畑
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私は昔のことを覚えていない。
どこに住んでいて、何をしていたのか。

気づいた時には病院にいた




そして、今






『・・・・・・ここ、どこ・・・?』




誰もいない、ひとりの世界
だけどお花がたくさん咲いてて



なんだか穏やかな気持ちになる




『・・・わたしは、だれだっけ』




そうだ。
自分が誰で、今まで何をしていたのか
ちょっとだけ散歩して見つけられたらって思いながら歩いてたらここに着いた






「ハァハァ・・・っ
おった・・・っフールっ・・・!!」


『?』




オオカミさんがこっちに向かって走ってくる。
・・・“フール”ってだあれ?
・・・あ、そうだ。私のことだ





「・・・っ勝手にいなくなったらアカン言うとるやろっ!!」




このオオカミさんは何で泣いてるの?どうして疲れてるの?
・・・でもオオカミさんが泣いてるすがた、見たくない




『オオカミさん。
なかないで?わらって?』



オオカミさんに触れるとなんだかあったかい感じがした




「!・・・・・・お前・・・」



『??』





オオカミさんはくりっとした大きな目を開いてこっちを見た





「・・・こら、また忘れたんか?

俺はロウや!
人間の言葉喋るオオカミおったら俺や言うとるやろ!」




あぁ、そうだロウ・・・
一緒に最近住むことになったオオカミさんだ





『ロウ・・・ここのお花畑キレイだね』



「!・・・ニコッせやろ?
俺のお気に入りの場所やねん。
あとな、眠れぬみずうみっつーとこも好きなんや。

今度行こうな」




ロウは私の手に頭をすり寄せる




『・・・ニコッうんっ!ロウ連れてって!』





ポフンッと音がなった瞬間ロウは人間の姿に変わる





「ニコッさ、今日はもう帰るで」



『・・・おうちどこだっけ?』



「覚えんとダメやろ・・・(笑)
ほら、行くで」




ロウの手を握りおうちまで歩く





『どうしてここにいるってわかったの?』



「ニコッフールがおるとこなんてお見通しや!!

・・・もし迷っても俺が傍におるから。」



『!ニコッありがと、ロウっ』





昔の自分は覚えてない。
だけど



『・・・お花、きれいだなあ』





このお花に囲まれた所は好きなんだ
きっと昔も。




お花畑



わたしはお花に囲まれて住んでいる



(おなかすいたぁ、ロウ・・・)
(家帰ったら作ってやるから我慢せぇ)
(ニコッはあい)




☆フール
幼少期
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