魔法学校……

□存在
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「レグシー、大丈夫?!怪我してないっ?」



『お姉ちゃん、心配しすぎだよ
大丈夫』




私には優しくて明るくて、
憧れの姉がいる


ただ、能力が無いため
武術や魔法は私の方が出来ていた





「・・・はぁっやっぱりレグシーはすごいよっ!姉として誇りだわあ〜っ!」



『・・・お姉ちゃん・・・
でもね、わたしは』



「ニコッここは素直に喜ぶところなのよっ
ほらっニコーって!」



『・・・に、にこー』





お姉ちゃんは自分の口元を指で上げる
私もやるが上手くいかない




「!そうそうっ!!
もーーっかわいい〜っ!可愛いよっレグシーッ」




母は褒めるということをしない。
無表情のままで、私はそれを受け継いでいる

でも姉は表情豊かで少しでも出来たことを褒めてくれる
私には出来ない事





『・・・お姉ちゃんは、なんで笑えるの?
・・・どうやったらにこってできるの?』



「!・・・レグシー」




私はそんなお姉ちゃんが羨ましくて、
つい聞いてしまった





「レグシーはね、今のままでいいんだよ?
レグシーは良いなって思うかもしれないけど・・・

ダメダメなお姉ちゃんを見習っちゃダメ。」



『・・・お姉ちゃん』



「ニコッあっレグシーこのあと魔法の練習でしょ?!
はやくお母さんの所に行かなきゃ!」



『!う、うん』





少し寂しそうな顔をした姉だけど、
またいつも通りに戻って笑いかけてくれた




『じゃあ、いってくるね、お姉ちゃん』



「!・・・レグシー!」


『?』




お姉ちゃんに呼び止められ一度足を止め振り向く




「・・・ニコッあんまり無理して怪我しないようにねっ」



『うん。わかってる。』


「はい、いってらっしゃい!」



『?いってきます』




今度こそ姉に背を向け走っていく





「・・・レグシー、また、ね」





お姉ちゃんは小さく呟いたその言葉は私に届くことはなかった





『お母さん、おそくなりました』


「・・・レグシー、こっちに来なさい」



『?はい』




お母さんの近くに少し近づくと急に足元に黒い魔法陣が現れる



『!おかあさ』



「黒魔法“消滅”」



『!・・・っぅあっ・・・ッ』





脳に母の魔力が伝わる

・・・んなんとなくわかった、姉との思い出が、少しずつ消えていく
あの優しかった笑顔や、明るい性格、
憧れていたあの姿



・・・・・・わたしは


・・・・・・誰のことを、考えてたんだっけ



ーー



目を覚ますとそこは自分の部屋で
“いつも通り”の生活が始まる




『・・・おはよう、お母さん』



「・・・おはよう、レグシー」





普段ならあいさつをしても返ってこないお母さんが返事してくれてつい驚いてしまった


そしていつも通り魔法の練習をする公園に向かう




そこにはキレイな毛並みの私と同じキツネさんがいた



1度目があったが、私は構わず魔法の練習を続けた


1日でも早くお母さんに認められるように



少しして先ほどのキツネさんのいた所を見たがもういなくなっていた




『・・・』




小さく、私を呼ぶ声が聞こえたが
構わず次は武術の特訓を始める




私は憧れの“お母さん”に近づけるように今日も頑張るんだ





(お母さん、私ね)
(静かになさい)
(・・・・・・)


という、悲しき(?)お話

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