魔法学校……

□暗黒の神童
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「今回のもダメか」


「あぁ、失敗だ」


「ちっ・・・」




あと何度失敗すれば成功するのか
人体実験なんて、正直好まない
だが、実験のためだ





「“藍”と“黒”が混ざった子が出来れば私達の発明は成功に変わるのだっ
なのに・・・っ」


「嘆いていても仕方がない。
とりあえず今日はNo.016でおしまいにしよう」



「・・・」



まだ1歳ぐらいであろうか。
真っ黒な目をしてじっとこちらを見ている



この子はこれから私たちに何をされるのか見えているのだろうか
・・・いや、そんなことがわかるわけがない




「さぁ、来いNo.016」



No.016を魔法で近くに寄せようとすると016から藍色のオーラが放たれ自らを包み込む
まるで自分を守るかのように




「な、なんだ、この魔力は・・・

!!ぅぐっ」



研究者の1人が自分の首を抑え、苦しそうにしている




「・・・あがっ・・・・・・かはっ」


「!!しっかりしろっ!」




まもなくして力尽き倒れる
ぱっと被験者を見ると手を握りしめながら
にこっと笑った




「!っこいつはっ危険だ!魔法で・・・っ
“スリープ”」


「そうだ、まだ幼い子供だっ
俺たちが力合わせればコイツなんか抑え込める
・・・紫魔法 “紫雷”」



「!!おいっまてっ!」



「・・・ニコッ」




研究者の魔法なんてものともせずそのNo.016は魔法で遊んでるように、
研究室を壊し、
血を流さず研究者を倒していく。
小さな身体で。それも笑顔で





「・・・・・・おまえは、誰の子なんだ」



「?・・・ニコッ」



「!!っ」



急に息が苦しくなり、自分の首を抑える




「ーーっなん、ば・・・・・・っ、0・・・16・・・」



「たいむ」


「!・・・なん、だ」


「ぼくは、たいむ
だれかがいってた。」




ニコニコしながら、近づいてくるNo.016

小さな幼子が、言葉を喋れることにも驚いた


だがそれよりもある“恐怖”




「・・・っタイ、ム・・・・・・っ
・・・私は・・・ユーザ・・・っ」



「ゆーざ?おじさんの、なまえ?」



「!そ、そう・・・だっ
だから」



「ニコッゆーざさん、いいひと?」




少し首に巻かれる魔力が弱まり息ができるようになる





「・・・いい人、ではないだろうな。
小さい幼子をこうやって俺達は殺していた
・・・お前のことも」




そして最期の“実験”のために
No.016、いやタイムに近づく




「・・・」



「・・・俺の命に変えても、
お前だけは・・・あの方にお渡ししたい・・・」



「・・・・・・」




タイムは手を前に出すがその前に俺はタイムの頭を触る



「藍色と黒の増幅だ」


「!」


「・・・全ては大魔王様の為に」




今自分の持つ魔力をタイムに渡す
優しい方法ではなく、痛みを感じる方が自分に入ってきやすい



「・・・ニコッ」



しかしタイムは痛むどころかニコッと笑い1歩ずつ近づいてきた



・・・そうか、タイムはもう自分のなかにあるべき黒の魔力は使いこなし、
黒で痛みをなくしていたということか・・・




「・・・お前こそまさしく・・・

・・・“暗黒の神童”・・・」



「ばいばい」





今度こそ自分の意識を奪われ力尽きる




「・・・(チェックだけはつけておきました・・・あとは、大魔王様次第です・・・)」




タイムを使いこなせるかどうか・・・
そしてタイムが大魔王様の魔力に耐えられるかどうか


・・・傍で見てみたかった・・・



“暗黒の神童”





No.016 タイム




ーー
タイム2才 →闇<黒

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