オリジナル
□正しい道?
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『センター!!』
「ニコッ」
フワッ ドッ
コートに響くボールを打つ音。
双子の兄と始めたバレー。
中学1年生になった私たちはもちろんバレー部に入った
「よくそんな体勢で打てるよな」
『だって柚子が上げてくれたボールだよ!?
打たなきゃダメにきまってんじゃんか♪
たとえ、体勢が崩れてても、助走が少なくても、
柚子があげてくれたボールは絶対に打つよ!』
「ハハッなんだそれ(笑)
じゃあ俺がセッターじゃなくなったらどうすんだよ(笑)」
『そうしたら私セッターやるもん!
今だって練習してるんだよ!』
トスをあげる真似をする私。
それを見て優しく笑う柚子。
『柚子はこれからもずっとセッターなら、私もずーっとセッターやる!』
「じゃあ、大好きなアタックは少ししか打てなくなっちゃうね」
『いいの!セッターだって打とうと思えば打てるんだから♪』
そう言いながらボールを柚子に投げる
「柚希はセッターになったら勿体ないって思うけどな」
フワッ
『いい、タッ
のっ!!! ドッ』
「・・・ニコッ柚希がいいなら俺は何も言わないよ。
でも、コースをうまく打ち分けられる人は柚希しかいないと思う。」
『高校行ったらいるよ!だからセッターになるの!! だから応援しててよ!』
「言葉まとまってないよ(笑)
でも、がんばれ、柚希」
ーーーーーー
・・・柚子はそれから中学卒業後、柚子は事故に遭った。
私を庇って。
『ふぇっ・・・っゆ、ずっ・・・っ』
私のせい。
その時頭に過ったのが私が柚子になればいい。
絶対にまた起きるから、それまで・・・
それまで柚子になってればいいんだ。
そうおもったんだ、だから・・・
『・・・はじめまして、片桐 柚子です』
私は私を捨てて柚子になる。
正しい道?
(柚子!部活いこう!!)
(・・・うん、今行く)
(自分では正しいと思っていた道)
(きっと彼らに逢わなかったら、ずっと逃げていただけかもしれないな)
うん、よくわからん(笑)