オリジナル

□正しい道?
1ページ/1ページ







『センター!!』



「ニコッ」



フワッ ドッ






コートに響くボールを打つ音。





双子の兄と始めたバレー。
中学1年生になった私たちはもちろんバレー部に入った




「よくそんな体勢で打てるよな」



『だって柚子が上げてくれたボールだよ!?
打たなきゃダメにきまってんじゃんか♪
たとえ、体勢が崩れてても、助走が少なくても、
柚子があげてくれたボールは絶対に打つよ!』



「ハハッなんだそれ(笑)
じゃあ俺がセッターじゃなくなったらどうすんだよ(笑)」



『そうしたら私セッターやるもん!
今だって練習してるんだよ!』




トスをあげる真似をする私。
それを見て優しく笑う柚子。





『柚子はこれからもずっとセッターなら、私もずーっとセッターやる!』



「じゃあ、大好きなアタックは少ししか打てなくなっちゃうね」


『いいの!セッターだって打とうと思えば打てるんだから♪』




そう言いながらボールを柚子に投げる



「柚希はセッターになったら勿体ないって思うけどな」




フワッ



『いい、タッ
のっ!!! ドッ』


「・・・ニコッ柚希がいいなら俺は何も言わないよ。
でも、コースをうまく打ち分けられる人は柚希しかいないと思う。」



『高校行ったらいるよ!だからセッターになるの!! だから応援しててよ!』




「言葉まとまってないよ(笑)

でも、がんばれ、柚希」





ーーーーーー



・・・柚子はそれから中学卒業後、柚子は事故に遭った。

私を庇って。




『ふぇっ・・・っゆ、ずっ・・・っ』




私のせい。



その時頭に過ったのが私が柚子になればいい。

絶対にまた起きるから、それまで・・・
それまで柚子になってればいいんだ。



そうおもったんだ、だから・・・






『・・・はじめまして、片桐 柚子です』





私は私を捨てて柚子になる。







正しい道?





(柚子!部活いこう!!)
(・・・うん、今行く)


(自分では正しいと思っていた道)
(きっと彼らに逢わなかったら、ずっと逃げていただけかもしれないな)







うん、よくわからん(笑)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ