桜物語2
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「お前…泣いてんのか…?」
「、失礼します」
「おいっ、待てって!」
がむしゃらに走った先にぶつかったのは左之さんだった。
逃げようとすると腕を掴まれて留まるしかなかった。
「どうしたんだよ?」
「ごめんなさい、もう放っておいてくださいっ」
「……晋哉、」
「やめてくださいっ
放してください!もう嫌だ……っ」
突如、左之さんの腕の中に引き込まれた。
「落ち着け、な?大丈夫だ…」
「…ぉ、」
「?」
「…謙人ぉ」
「………」
「…謙人に、会いたいよ……っ…!?」
触れる唇。
視界は左之さんで一杯だった。
突然の事で頭が真っ白になった。
「そんなに苦しむなら忘れちまえよ…」
「ぇ…?」
「俺が忘れさせてやる…。
好きな女が泣いてるってのに放って置けるほど大人じゃねぇんだよ、俺は…」
「左、之さん…?」
「好きだ、蒼」
<後書き>
我が家の左之さん=泣いてる女はキスで黙らせる(^ω^)
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