桜物語2

□37
1ページ/2ページ







「……(何か土方さんに怒られるような事しただろうか…?)」




厳しい表情の土方さんに疑問を感じていた。




「半年の間、一睡もしてないようだな」



「……」



「……昼も寝ず、夜も寝ず…テメェはいつ寝るんだ?」



「……寝なくても死にませんよ」



「いつからだ?」



「……」



「答えろ」



「……ここに来たときからです」



「半年か…」




土方さんは呆れたように深く溜め息をついた。




「休め」



「は?だから無理で----ッ痛」




言い終わるか否かに、土方さんは座っていた俺を引っ張り上げると、敷きっぱなしであろう布団の上に投げ捨てた。




「副長命令だ。暫くそこで横になってろ」



「(職権乱用…)俺なんかより土方さんが休んだほうがいいと思いますが」




さすがに"人なのに無理しすぎでしょ"
とは言えないが。




「俺はいいんだよ」



「…なぜ…たかが新選組お預かりの俺にそこまで言ってくださるんですか?」



「……………さぁな」



「さぁなって…」



「ごたごた言ってねぇでさっさと寝ろ」



「…………」




納得いかない。

俺が寝ている間に殺そうとしているのか?

…まぁ、別に殺されて困ることはないが。




「…………」



「…………」



「…………わかりましたよ…」




鋭い視線に押し負けて、仕方がなしに布団の上で横になった。




「……」




土方さんは俺が横になったのを確認すると、机に向かってなにやら書き始めた。
仕事がたまっているのだろうか?



「……」



「……」




暫く土方さんの背中を見ていたが、それが嫌だったのか土方さんは深く溜め息をついて手を止めた。











次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ