桜物語2

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これは…夢?




「ねぇきみ、ひとりでなにしてるの?」



「さくらをみてるの!」




この子、どこかで見覚えが…

誰だっけ…?




「さくらなんていつでもみられるじゃんか」



「……もうすぐかえらなくちゃだめだから」




この女の子…




「ふーん。じゃあいまからいっしょにあそぼうよ」



「えっ?」




これは…夢じゃない




「ぼくは宗次郎。きみのなまえは?」



「わ、わたしは蒼…!」




これは昔の記憶




「よろしくね蒼ちゃん」



「よっよろしく…!」




俺は昔、沖田さんに会っていた…?























「………」




目を開けると見慣れた天井が目に入った。

誰かが運んでくれたのか…




「晋哉さん…!?」




襖を開けて入ってきたのは千鶴だ。

どうやら面倒みていてくれたのは彼女らしい。




「っ、ゴホッゴホッ!」



「あっ、お水…!」




声を出そうと思ったが喉が枯れていて擦れ声すら出なかった。

だいぶ寝ていたらしく、起き上がろうとしたら節々の関節が軋む音がした。




「っ…悪い、助かった…」




水を飲み、漸く落ち着いた。




「まだ横になっていてください…。」



「ハハッ、なんで涙目なんだよ」



「晋哉さんが…目を覚まさなかったら、私…っ」



「心配かけたな…」




千鶴は突然立ち上がったかと思うと、土方さんを呼んでくると言って走り去って行った。




「ふぅ……」




慎重に起き上がって身なりを整えた。

さすがに寝たままというのは失礼だからな










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