桜物語2

□54. 原田side
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「よう、左之!
巡察帰りか?お疲れさん」




総司と平助がいない分、巡察の回数が増えた。
今日も街を見回ったが、特に何もなく、不気味なくらいしんとしていた。




「おぉ。新八こそなにしてんだ?こんな刻限に…」



「俺か?俺は平助んとこでちょっとな」



「…飲んでたのか」



「い、一応言っとくが飲ませちゃいねぇからな!?
目の前で飲んでやっただけだからな!?」




ほんのり赤くなっている新八を見ると、飲んでいたのは一目瞭然だ。
まったく、この忙しい時になにやってんだか…




「左之ならわかってくれるよな!?」



「あー、はいはい。わかってるよ」




内心、めんどくせぇと思い適当に返事をすると自室への帰路についた。





















「お…月が綺麗だ…」




そういえば、晋哉。
千鶴に聞いたところ、目が覚めたっつー話らしいが…
明日見舞いに行くか。
話てぇことはあるが、無理させたら千鶴に怒られるしな




ドンっ
「っ痛」



「っすみません、」




後ろから誰かがぶつかってきた。


誰だよ…こんな刻限に…


だが、座り込んでいる姿は見覚えがあり過ぎて…




「晋哉…?」



「!?」



ちょうど脳内を締めていた人物だった。
いつもの晋哉には似合わない驚きようだが、一瞬見えた表情は、















「泣いてん、のか…?」




















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