GX

□お気に入り
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よくよく考えたら、

あの場所が私の中で

1番落ち着く場所になっていた。


私のお気に入りの場所、悲しい時、辛い時によく行く場所。
それが、

コンコン

「誰だ。」

丸藤さんの部屋だ。

「あ、私・・・龍華・・・・です。」

「龍華か、入っていいぞ。」

そう言われてから私は扉を開けて中に入る。

「いつもいつもすみません。」

「別に構わん。」

そう、週に一度だったりならまだ良い方かもしれない。
けど、私の場合この頃は3日に一度のペースで来てしまっている。
これについては私も困り果てている。

「今日は何があった?」

「え?・・・あ・・・。」

「お前が来る時は大体悩んでる時だからな。」

私は思わずドキッとしてしまう。確かに私が来る時はいつも悩んでる時だから、もう分かってしまうのか・・・それぐらい来てしまったのか・・・・。
ハァとため息を着いた龍華の前に亮は手を出して、

「そんな所にずっといるな。こっちに来い。」

そう言われたら何となくホッと落ち着く私がいる。



「今日は何があったんだ?」

「えっと・・・・。」

亮の質問に龍華は言葉が続かない。
ちなみに今の態勢は、ソファに座っている亮の膝の上に龍華が座っているという態勢だ。この態勢は龍華が亮に悩みを聞いてもらう時によくやるのだ。

「・・・・・・・いまさらですが、辛いんです。」

やっと龍華が話す。

「辛い?何がだ⁇」

「仲間と・・・離れてしまったのが・・・・・・・・。」

龍華がぽつりぽつりと話し出す。目が若干もう涙目だった。

「仲間が・・・アカデミアと、違う所にいて・・しかも、今日いきなり通信出来なくなって。この前は天上院さんが、消えちゃって・・・・これ以上、仲間が消えるのは・・・もう・・・・・・・イヤなんです・・・。」

ついには泣き出してしまった。
確かにこの頃は特待生のほとんどが謎の失踪事件でいなくなってしまい、今では亮と龍華しか特待生は存在しなくなってしまった。

(確かに吹雪がいなくなった時は龍華は1週間も探してすごく大泣きしていたな。そんな今頃に連絡出来なくなったとなると不安にもなる。特に心が繊細な龍華なら尚更だ。)

亮は話を整理してから今の龍華を見下ろす。目が少し充血してきていた。それを見た亮は心がズキッとした。

「私・・・もう不安でしょうがなくて・・・・私・・・私・・・わた、⁉」

龍華が次の言葉を言おうとする前に亮が龍華の体を自分の方に寄らせる。

「・・・・・・・。」

「そんなに思いつめるな。確かに吹雪が消えて、不安なのは俺も一緒だ。だが、俺は信じている。必ず帰って来ると。だから、お前も信じろ。そうすればきっと会える。吹雪にも、お前の仲間にも、な。」

龍華が亮を見上げれば、亮は龍華の頭を撫でる。

「だから、あまり自分を責めるな。」

その言葉を合図に龍華の瞳からみるみる涙が溢れ出す。

「・・・・は・・・はい・・・・・・。」

龍華は亮の服にしがみつきながら泣き続けた。
まるで、自分の不安を取り除くかの様に・・・・・・・。


「・・・やれやれ。泣きつかれて寝てしまったか。」

暫くして、部屋が沈黙に満ちた時、龍華は亮の膝の上で寝ていた。それを見た亮は苦笑いを溢す。
そして、亮は龍華を抱き上げ、寝室に向かった。

その時の龍華の顔は

安心した子供の様だった。

(きっとそうやって時間を重ねていくたびに、)

(俺は君に恋をする。)
END
 

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