GX

□シロツメクサ
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これは3人の昔の記憶。

確か、その日は素晴らしいくらいの快晴だった。

「ん〜〜・・・・・っと、こうかな?龍華姉。」

「うん。それで、ここをこうして、繋げれば・・・。」

「あっ!出来た〜♪」

ここはあまり知られてない野原。辺り一面にはシロツメクサが咲き乱れていて、まさに隠された名スポットなのだ。
そこでは赤い上着を来た少女が3人。皆、シロツメクサで冠を作っていた。
その内の1人-モモはその咲いていたシロツメクサでの冠が出来上がり、感嘆の声をあげていた。

「えっと・・・こうしてぇ・・・・・・・・こうすればっ!!」

そう言いながらもう1人-ナナもシロツメクサの茎を繋げるため、茎と茎を結ぶ事に頑張っていた。

「やった!出来ました!!」

「良かったね、ナナ。」

そう言いながらナナの頭を撫でてあげているのはその2人の姉-龍華だ。
龍華は2人に教えながら同時進行していたため、まだ完成していなかった。龍華が黙々と作業する中で、モモとナナは出来上がった冠を頭に被り、喜び合っている。
すると、辺りを囲んでいた木々の中から足音が。

「おや?先客がいたみたいだね。」

その声に3人はその声が聞こえた方向を向く。
そこには白い上着を来た男性が3人。

「ここは静かな所だから、たまに休憩がてら来るんだけど、知ってる人もいるんだね。」

その内の若草色をした髪の男性が話した。それにモモとナナは肩を震わせ、龍華の腕を掴んだ。
龍華は2人をチラリと見てから言葉を繋げる。

「そうだとは知らず、すみませんでした、今から帰るのでそれでは。」

無表情で淡々と話したあと、3人は立ち上がりその場を離れようとしたが、茶髪の男性に腕を掴まれてしまう。

「別にいいよ。あんなに楽しそうな所を邪魔したら、こっちが悪いじゃないか。」

それを聞き、3人の緊張が少しだけほどけた気がした。

「取り敢えず、名前聞いてもいいかな?」



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