etc dream
□雨音
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止まない雨が町を包み、雨音だけの世界。
やっぱりあなたは目を反らしたまま、ただ煙草をくわえていた。
「…んな目で見んな。」
やっぱりそっぽを向いたまま、ぶっきらぼうに言った。
哀しい予感から逃れたくて、私は唇をかんで俯いた。
未来なんてこなければいい。
このまま時が止まればいい。
ありったけ強く抱いた思いは、どこかに落ちた光に掻き消された。
「……わりィ。」
「謝らないでよ…」
どうして私たちはこんなに不器用なんだろう?
雨音だけが聞こえた。
終