GW short dream
□おやすみ
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まるで嘘みたいだな。
自分の目的以上に大切になったもの。
それも今日でなくなっちまう。
言葉だけじゃ足りなくて、一緒に明日を待ったこともあった。
それすら遠い思い出になる。
「デュ、オ。」
不安そうに俺を見上げて、力のない手を持ち上げる。
俺はその手を握った。
「もう、寝ろよ。俺はどこにも行かねえからさ。」
怖がるものもうなにもないから。
「だから、おやすみ。」
ありがとう、と小さく笑って、目を閉じた。
涙が出ないのは、きっと、受け入れることができないから。
終
(ゆず*おやすみ)