GW short dream
□相合い傘
1ページ/2ページ
空が急に暗くなって、まもなく雨がアスファルトを黒く染めた。
地球め、こういう不定期な雨は困るよ。
無駄な悪態をつきながら空を見上げても、止む気配はなくて、途方に暮れる。
濡れて帰るのも嫌だしなあ…
「何かお困りのようで?お嬢さん。」
「デュオ!」
肩を叩かれて振り返ると、やけに笑顔のデュオが。
「傘ないんだろ?そんなこったろうと思って、迎えに来たんだよ。ほら、入れよ。」
そう言って、傘を少し高くした。
「入れよ、って…、一本しか持ってないの?」
「相合い傘、できるだろ?」
笑顔で恥ずかしげもなく言うから、こっちがかえって恥ずかしくなった。
たまには、こんなのも良いかもしれない。
終