ABYSS

□アスランの一日
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私の1日はピオニー陛下を起こすことから始まる。

「あ!フリングス少将!」

一人のメイドに声を掛けられ足を止めれば、メイドは息切れ切れに言葉を繋ぐ。

「ピオニー陛下が部屋から出てこないのです…生憎カーティス大佐も見当たらなくて…」
「あぁ…今日は午前中に会議があったんでしたね。わかりました、後は任せてください」

笑顔でそう言うと、メイドはすまなそうに頭を下げた。
恐らくピオニー陛下は部屋でノックの音に気付かぬ程熟睡しているのだろう。
アスランは柔らかい動作で気にしないでください、とメイドを宥めた。

「さて、急がないと」

午前中と言っても正午に近い時間帯だが、支度にも手惑うことを予想し、小走りでピオニー陛下の自室へ向かった。

「ピオニー陛下、フリングスです。起きてますか?」

コンコン、と大きめにノックをするが、返事はない。
やはりまだ寝ているようだ。

「失礼します」

仕方無い、とドアの前で一礼し部屋へ入る。
中へ入るといつも部屋を荒らしているブウサギが一匹も居ない。
アスランは溜息を吐いた。
恐らく陛下が起きた後はブウサギ探しになるであろう。
そう思考を巡らせながらベッドに近付くと、その中には陛下と、もう一人の姿が。




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