ABYSS
□ほわいとなんとか
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3月14日…2月14日のバレンタインデーのお返しをする日‥
『お返し期待してるからな!』
丁度先月にそんなことを言われ、皇帝からどでかいプレゼントを貰っていたジェイドは悩んでいた。
「お返し‥ですか…何が欲しいんでしょうねぇあの人は」
ジェイドには子供のような無邪気な笑顔が何を求めているのか全く理解が出来なかった。
「…思いつきませんね」
キッパリとそう言うと、ジェイドは色とりどりに並ぶ品物を後にした。
「…まさか『私がプレゼントです☆』みたいな馬鹿げたことは絶対したくありませんし…」
うーんと唸り声をあげながら首を傾げていると、背後に人影。
「どうしましたか?少将」
くるりと後ろを振り向くと予想通り、フリングスが立っていた。
「あ、いえ、陛下へのプレゼントで困っておられるようなので何かお手伝いを、と」
にこりと親切な笑顔を向けるフリングスに、ジェイドは助言を求めて頼った。
ホワイトデー当日。
ピオニーは自室に入って驚いていた。
「…なんじゃそりゃ」
部屋にはリボンがついたブウサギが一匹増えていた。
ピオニーはそのブウサギに近付いてしゃがむ。
「素直じゃない奴ー。俺は『私がプレゼントです☆』って言って欲しかったのになぁ…」
ちぇ、と多少毒づきながらジェイドからお返しが返って来たことに内心とても喜んでいた。
おわり
→あとがき