NOVELU
□knocking on the door (6)
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キラが中心となって、人形劇の練習もつつがなく進み…本番まであと1週間。
ラクスの作った人形も皆に可愛いと評判で、使用後には欲しいと言い始める生徒もいた。
キラは製作主の名前を公表したくてたまらなかったのだが、彼女が嫌がるのは明白なのでぐっと胸に秘めておいた。
彼女に関する口さがない噂も、なるべく機会があるごとに否定して…彼なりにフォローに勤めていた。
ラクスは、自分がいると皆が緊張して、うまくチームワークが取れなくなる事を自覚していたので、あえて練習には顔を出さず、裏で様子をみるに留めていた。
シホからの報告で、キラが中心に立って順調に練習が進んでいる事はわかっていたので、ラクスは意外に思いつつも、彼に感謝していた。
―――人形を彼に見られて以来、キラが生徒会室に姿を見せる事もなくなって、それを寂しく思う
自分に気付いて戸惑ったのだが、彼女はキラに苦手とされていると未だに思っていたので、あえてそれを言う事もなかった。
――それに弱み云々の噂のことも聞き及んでいたし。
自分といると、彼に迷惑がかかることも多かろうと、あえて彼女はキラを避けていた。