企画部屋

□お揃い
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『お揃い』
(「a childhood friend」の後日談〜クリスマス・バージョン〜)




ラクスがキラと、幼馴染から恋人という関係に変化しての始めてのクリスマス。



別段、何も変わった事をやる必要はないと思いながらも、選ぶプレゼントも例年よりも力を入れたりして。

吟味に吟味を重ねているうちに今日になってしまった。


「今までキラといた年分…贈るに丁度良いものは、みんな贈ってしまったんですよね…」


とはいえ、クリスマス・イブは明日。


迷っている時間はない。


ブティックで男物の小物を物色しながらラクスはブツブツとひとり言を呟く。



「この帽子、すごい人気なんですよ?」


背後を振り向くと、マニュアルどおりの笑顔を浮かべたショップの店員がラクスの手元を見ながら立っていた。

自分の手元に視線を戻せば、何気なく手に取ったニット帽があり、ラクスはじっと見詰める。


そういえばこの前、

『寒いよねー…帽子をかぶると、防寒度が格段アップするんだって』

と、キラが肩をすぼめながら震えていた気がする。



「これ、もうこの一点しか残っていないんですよ」

暗に、”今買わないと無くなっちゃうわよー”という、客の焦りを誘うセールスの常套手段なのだが、ラクスはそういうことに、疎い。

しかし、確かに丁寧に編みこまれた、キラの好きそうな模様の素敵なニット帽だ。


「これ、ください」


まんまと、レジに連れられて行った。
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