NOVELU

□knocking on the door (6)
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「やめなさいよっ!」

劇の練習のためにホールに入ってきたキラと、見学に来たシンは、女性徒の大声にそちらを振り向いた。


「壊れちゃうから、やめて!」


3人の男子生徒が、人形をボール代わりに投げてはキャッチし、時には引っ張って取り合い遊んでいた。

それを見かねた生徒が止めようとしているが、彼らはまったく聞こうともせず、大声で笑っている




「やめ…」

キラが駆け寄り、止めようとしたときビリっと、布が裂ける音がホール内に響いた。

「あーあ…」
「やべ…」


無残に首が取れてしまったピノキオの人形を片手で持ち、生徒の1人が気まずそうに立ち尽くしていた。


「だから、言ったのに!」

「どうすんのよ!」


女性徒の非難の声を浴び、呆然としていた男子生徒はカッとなり

「なんだよ!―――こんなの、また他の借りればいいだろ!俺が金だすよ!」と怒鳴り返した。
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