NOVELU
□knocking on the door (6)
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「なんで…人形が壊れたくらいで…」
人形で遊んでいたグループの一人が口を開くと、シンが壁に拳をぶつけ、声を荒げた。
「あれは、みんなラクス様が作った人形なんだ!―――寝る間も惜しんで子供達のために作って…自分が心を込めて作った人形をあんな酷い壊され方したら…悲しいに決まってるじゃないか!」
途端に場に、ざわめきが走る。
「うそ…あれ、ラクス様が?」
「ええ?レンタル物じゃなかったの?」
誰もが驚きの声をあげている中、さらにシンは怒りをぶちまける。
「なのに、あんな酷い噂までたてて…何考えてるんだよ!あんた達は!」
紅い瞳を怒りに染め、目を吊り上げて怒鳴るシンに、誰もモノが言えない。
重い沈黙の後、
「謝らなくちゃ…」
ポツリと、人形を壊してしまった生徒が辛そうに呟くと、皆、辛そうに歪めた顔をあげて、先ほど
キラとラクスが出て行った方に視線を向けた。