NOVELU
□日常風景
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「だから、いつも俺が迎えに行くって言ってんのに…」
コーヒーをすすりながら、ディアッカは溜息をつく―――こういうことはもう日常茶飯事なんだから、と。
「いらんわ!――――クライン議長の護衛任務はジュール隊隊長の私が拝命されたものだ!」
ディアッカは肩を竦めた。
「クライン議長には、もれなくキラ・ヤマトがついてくる、ってのは、もう世間に公認されてるようなもんだからさ…諦めろ、イザーク」
そのとき、当の本人がマニュアル本を片手に靴を鳴らし、廊下を歩いてきた。
「やあ、ディアッカ!イザーク!」
「おう!キラ…これから射撃訓練だろ?―――行こうぜ」
イザークは憮然とした表情でキラの背中を睨みながら、肩をいからせ2人の後をついてくる。
「イザーク、どうしたの?」
口に手をあてて、キラはコソコソとディアッカの耳元で話す。
「ああ、いつものことだから、気にすんな」
全く気付いていないキラに、ディアッカは苦笑しつつも、この状況を大いに楽しんでいた。
「ま、結局あいつもお前のことを気に入ってるのさ」
と、キラの背を親しみを込めて強く叩いた。
NEXT…?