企画部屋

□仲良きことは…
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「ん?何これ……?」


――――『グループで行く、○×温泉1泊の旅……・?』

……何か、嫌な予感がする…例の如く、いやーな予感が……

キラの顔は徐々に色を失っていく。

「ラクス、まさか……」


一方ラクスは頬を染めながら、嬉しそうに手を組んでウキウキと頬を輝かせ、

「はい!カガリさんとお話して、12月24日は温泉に泊まろうということになりましたの!」


「………えええ!?」

キラの悲痛な叫びにラクスは耳を塞ぎ、あわてて言い訳をする。

「あ、もちろん、キラとアスランも一緒ですわよ?心配なさらないでくださいな?」


キラは、もう言葉が出ない…きっとアスランもカガリから同じ内容の話を聞いて、隠れて男泣きしていることだろう。


『私たち社会人は日々の労働、積み重なるストレスで身も心もズタボロなんだ!……高い飯やプレゼントより癒しだ!リラクゼーションだ!』

―そういえば先週、カガリがそう叫んでいた気がする。


「…これでも、ラクーアで過ごそうとするカガリさんを何とか説得しましたのよ…?」

愕然としてピクリとも動かないキラを、場所が気に入らなかったのかとラクスは心配そうに覗き込んでくる。

「キラ?」

ラクスの蒼い瞳を見返すキラの紫の瞳はウルウルと潤み、今にも泣き出しそうだ。

「――ラクスは僕と2人で過ごしたくないの……?」

「キラ…!」

――だいたい仲がいいにもほどがある…!普段職場が一緒なクセして!……クリスマスくらい恋人のために譲れよ、お互い――!


心で叫びながらイジケて背を向けると、ラクスがもう一枚、後ろからキラへチケットを示した。


「何?これ……」

すっかりイジケモードのスイッチが入ったキラは、憮然と口を尖らせながらそれを受け取った。


『12月25日 宿泊  男1名・女1名』

「ラクス…?これ……」

「カガリさんには内緒で…もう1泊、別の旅館に宿を取りましたの」

照れて、顔を俯かせるラクスの後ろからキラが思い切り抱きついてきた。


「ラクス――――!!!」

「ちょ…っ!キラ!こら、離れてくださいなー!」


感激に身を震わせたキラが、ラクスを解放するのは、それから約2時間後のことだった。



END
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