dragon tiger
□破廉恥☆文化祭
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パタパタパタ。
歩くたびに、大きなリボンがユラユラ揺れる。
「おっかえりなさいませ、ご主人様〜☆」
笑顔でそう言い、ペコリと頭を下げる彼女を見て、心底死にたくなった。
「こら、真田、真面目に接客をやれ」
「あいたっ!」
コツン、と額を小突かれる。
むー、と恨めしそうに見上げれば、相手はニヤリと笑った。
「そんな顔をしても無駄だ。ジャンケンに勝ったのは我ぞ」
「うぅ……わ、わかってるでござる!元就殿のいじわる」
幸村のクラスはメイド喫茶をやることになったのだが、メイドの数が足りず、男子の中からもメイドを出さなければいけなくなった。
その候補は幸村と元就。
もちろん断ったが、女装してもむさ苦しくないのは二人だけだと言われ、なし崩し的にジャンケンになった。
女装なんて絶対に嫌だ!とありったけの気合いを込めてジャンケンに挑むが、結果は無惨にも敗北。
しかも一発でだ。
「絶対に俺より元就殿の方が似合うのに……」
「似合うか、愚か者っ!」
今度はボードで叩かれた。
けっこう痛い。