幼なじみと×××
□幼なじみと煙草の煙
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ぷかぷか、ぷかぷか。
灰色の煙が、空へと昇っていく。
「……政宗」
「An?」
「煙たいでござる」
盛大に顔を顰める幸村に政宗は苦笑する。
わざと、フッと煙草の煙を吹き掛けてやった。
「ごほっ、ごほっ……煙た!政宗のバカ!」
涙目で、キッと幸村は政宗を睨む。
煙草の煙は苦手だ。
「悪い、悪い。けど、煙草くらい吸えなくちゃ大人になれないぞ」
「そんなことないでござる!そもそも、政宗はまだ未成年でござろう」
煙草は二十歳になってから。
それは酒も同じだが、政宗は煙草は吸うし、酒も飲む。
「規則は守らねば」
「んな堅いこと言うな。昔は若くから酒も煙草もOKだったんだから、いいだろ」
昔は昔、今は今。
しかし、政宗にそれは通用しないのだろう。
あれこれと理屈を並べられて、言いくるめられるのがオチだ。