幸村様と十勇士

□幸村様と十勇士C
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ある日のこと。


主に情報収集を得意する十勇士の一人、穴山小助は忍隊の長である佐助に呼ばれた。


いつものように他国の情報収集に行かされるのだろう。


軽い気持ちで指定の場所に向かえば、いつもとは違う雰囲気を纏った佐助がいた。



「……長、何か?」


「あぁ、ちょっとね。情報収集任務のお知らせ」



なんだ、いつもと同じく情報収集任務か。


いつもとは雰囲気が違って見えたから何か難しいことがあったのかと。


まぁ、自分は情報収集能力が一番高いから適材適所を考えるなら緊急時以外は他の任務につかされることはない。



「今回はどちらに?」


「長曽我部、毛利、伊達……どこがいい?」


「…………は?」



なんとも間抜けな声。


小助の聞き返しに、佐助は「だからね」とまた先程のセリフを言った。



「いや……どこがいいって、ぜんぶ行けますけど」


「今回ばかりは無理。小助だけじゃなくて、みんな無理無理。俺様もできない」



確かに距離はかなり離れているけれども。


普段わりと自信家である佐助がここまで否定するとは。


よほど難しい任務なのか。



「今回は特殊任務で、小助と才蔵と俺様で決行するよ」


「え?三人がかりですか?」


「そう!ここで俺様たちの絆と旦那への愛が試されます!」







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