幸村様と十勇士
□幸村様と十勇士E
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ひらり、ひらり
はらり、はらり
扇を翻し、天女が舞い踊る。
はらり、ひらり
ひらり、はらり
紅の花弁を纏って舞う。
込める思いは愛しきあなた様への敬愛の念。
「美しかったよ」
一差し舞い終わると、一座の若頭はそう言った。
舞手はふわりと微笑み、頭を軽く下げる。
「一座に加わってくれれば助かるんだけどなぁ」
「いえ、私には仕える主君がおりますので」
そう言って、海野六郎は左右に小さく首を振った。
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