幸村様と十勇士

□幸村様と十勇士G
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弟が元服し、弁丸という幼名から真田幸村と名を改めた時。


これから赴くであろう戦場での弟の動向が心配になった。





幸村様と十勇士G
【 信幸の憂鬱 】








幸村の兄、真田信幸には心配事があった。


それは、弟である幸村の事。


幸村はついこの間元服を迎えたばかりで、まだ初陣を果たしてはいなかった。


武家の男子が幸村の年齢まで元服しないのは珍しい。


では何故今まで元服しなかったのかと言うと、それは幸村の父親が原因だ。


幸村の父――真田昌幸は超が付くほど幸村を溺愛している。


幸村が元服をすれば、自ずと訪れる初陣。


それに赴かせたくはなかったのだろう。


気持ちはわかるが、幸村もやはり武家の子。


戦場で戦果をあげ、真田の家に貢献したいという気持ちがあるようだった。


信幸も幸村のことは心配だが、過度の心配は本人のためにはならない。


そのことをわかっているため、あまり行動などには出さないようにしている。


しかし、幸村は馬鹿が付くほどの正直者であり、人を疑うことを知らない。


もっと言ってしまえば、世間知らずなのだ。


信幸はそこが心配だった。


次男が故に様々な場所で人質生活を送ったことがあるはずであるのに、何故だろう。





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