幸村様と十勇士

□幸村様と十勇士H
1ページ/2ページ




赤ん坊は、どうやってできるのだ?


弁丸様はいいました。


もちろん迷ったよ。

弁丸様に本当のことを教えるか否か。



「いや、ダメじゃろ。普通にまだ早い」


「……やっぱり?」



だよね、と呟く。


弁丸様はまだ七歳であるから、確かにまだ早い内容なのかもしれない。



「なら、どうすりゃいいのさ?コウノトリ?」


「それが妥当なのではないか?」



コウノトリ…ねぇ。


弁丸様はまだ幼いし、素直だから、確かに信じてくれるかも。



「弁丸様、赤ん坊はね、コウノトリが運んでくるんだよ」


「……トリが運んでくるわけなかろう」


「……清海」



裏切られたよ。

意外にも、弁丸様は常識的だったようだ。


これはさすがに清海も予想外だったらしい。


さて、困った。

もういっそ、本当のことを教えてしまおうか。


再度 清海にそう尋ねてみれば、まだ早いと断られてしまった。


コウノトリがダメなら、桃から生まれるとかだろうか。



「……佐助も清海も知らないのか?」



どうしたものかと考えていれば、わからないと勘違いしたらしい。


二人にとってその勘違いは好都合だったので、頷いた。



「そうか……」



なら仕方ない、と弁丸が小さく呟く。


このまま諦めてくれるかと思いきや、じゃあ望月に聞いてくる!と部屋を出て行こうとした。


透かさず清海と佐助が止めに入る。


望月ならば普通に答えてしまいそうだ。



「弁丸様、はっきりと申し上げますけど、これは弁丸様にはまだ早いことですよ」


「むぅ!弁丸をこどもあつかいするな!」



いや子供でしょ!というツッコミは飲み込み、佐助はうーんと首を捻る。


おそらくこれはジレンマになるだろう。


本格的に困った。



「本当に早いんです」


「佐助のばか!弁丸だっていろいろ知りたいでござる!」


「違うことを知りたがってください!」





 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ