幼なじみと×××
□幼なじみは婚約者
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てっきり、そんなことない!と反論してくるかと思ったのだが。
「政宗といると気が抜けて、素が出てしまうのでござ……えと、出てしまうんだ」
もごもごと口ごもりながら、そう言う。
普段なら、ちゃんと標準語を話せるのに、政宗の前だとなぜか上手くいかない。
「だから、えぇっと、つまり……」
「ゆき!」
「わぁ!?」
いきなり正面から抱き着いてきた政宗を支えきれず、バフッとベッドに倒れ込んだ。
柔らかなベッドの上だろうとも、二人分の体重で勢いよく倒れたら多少は痛い。
「痛……重い!政宗、どいて!」
「ヤダ」
「どーけー」
「い・や・だ。幸が可愛いから無理だ」
「可愛くない!俺は男でござるぅぅ!」
また“ござる”口調。
政宗はクスリと笑って、幸村の額に口づけた。
これからもずっと一緒だと、誓いを込めて。
END