幼なじみと×××
□幼なじみとお勉強
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政宗が教えてくれるなら百人力だ。
だって、彼は英語の先生より発音はいいし、よりネイティブに近い英語を使える。
「さて、苦手なところや分からないところを重点的に攻める」
「よろしくお願いいたします!」
勢いよく頭を下げ、政宗を見た。
政宗はすでに戦闘モードに入っていて、眼鏡を掛けている。
「んで、分からなくなったのはどの辺だ?」
「この辺りでござる」
ピッと指で教科書の文字を指す。
「あぁ、ここか。ここはな……」
政宗の説明は要点がまとまっていて、とても解りやすい。
あっという間に理解できなかった文法が理解できるようになり、自然と笑顔になった。
この調子でいけば、この先の授業も大丈夫な気がする。
「政宗、ありがとう!とても解りやすかったでござるよ」
「そりゃよかった」
「今度なにかお礼をするでござる」
「ふぅん…お礼ね……」
くるり、くるりとペンを回していた手を止め、政宗はジッと幸村を見つめる。
「……な、なんでござるか?」
無言で見つめられ、恥ずかしくなったのか、幸村が上擦った声で尋ねてくる。
「いや、お礼に何をしてもらおうか考えてたんだけどな」
うん、と頷くと同時に政宗の手がスルリと頬を撫でた。
いきなりだったので、びくりと大袈裟に体を揺らしてしまう。
「お礼は、ゆきで」
甘い声で囁く政宗に、幸村は顔を真っ赤にしてため息を漏らした。