幼なじみと×××

□幼なじみと冬休み
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「……いやだ」

「え?今なんと?」

「嫌だって言ったんだ。外は寒いし……そもそも雪は嫌いだ」


かき氷みたいとか言って口に含むやつもいるけれど、実は雪はゴミの塊であって、ちっとも綺麗ではない。

寒いし、なんのメリットがあって冬が存在するのだろう。


「ふぇ……」

「えっ!?なぜ泣く!?」


あまりにも唐突な出来事に、政宗は被っていた布団を蹴り飛ばした。


「だっ、て……まーくんが、幸のこときらいだって言ったぁ」


待て待て待て!
いつそんなこと言った?


幸がきらい?
NO!むしろ大好きさ。


幸村は、とてつもない勘違いをしている。



「ゆき?まさか、雪と幸を勘違いしてるか?」

「う?」


すん、と鼻を啜りながら首を傾げる。

何を言っているのかわからない。


「俺が嫌いなのは空から降ってくる雪であって、幸村の幸じゃない」

「……じゃあ、まーくんはゆきが好き?」

「うん」


しっかりと頷く。

すると、幸村はパアッと顔を輝かせた。


「ゆきも、まーくんが大好きでござる!」


ギュッと幸村が、腕に抱き着く。

政宗はホッと息を吐き、クローゼットから上着を取り出す。


「ほら、ゆき、早く行くぞ」

「どこへでござるか?」

「庭!雪だるま、作るんだろ?」

「うん!」




冬は寒くて嫌いだけど、君が隣で楽しそうに笑うなら、悪くはない。



 
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