幸村様と十勇士

□幸村様と十勇士H
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「どうした?」



騒がしさに気が付いて、弁丸の兄である信幸がやって来た。


その姿を認めると、弁丸は信幸へ縋り付く。




「弁丸、どうした?」


「佐助たちが教えてくれないでござる」




信幸が何を?と聞き返せば、弁丸は先程と同じく子供はどうやってできるのかと尋ねた。




「そうか。なら、兄が教えてあげよう」




さすがに困るだろうなと思っていたので、佐助と清海は驚いた。


まさかありのままを説明するつもりなのか。




「の、信幸様……」




佐助が遠慮がちに名前を呼べば、任せろと言わんばかりに頷いた。




「弁丸、赤ん坊は互いを想い合った者達が祈願すると、キャベツ畑に宿るんだよ」


「キャベツ畑にやって来るでござるか?」




コクリと信幸が頷けば、弁丸は瞳を輝かせ、さすがは兄上でござる!と飛び跳ねた。


気になっていたことを知れて嬉しいのだろう。



しかし、なぜコウノトリは駄目でキャベツ畑は信じるのか。













「弁丸は信幸の話はなんでも正しいと思う節があるからなぁ」



その答えは後日、昌幸の証言により知る。






 
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