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□2.淡い夢の中で、
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2.淡い夢の中で、


淡い、切ない夢の中。

僕は必死に光を追い掛ける。

『まって!!光っ…』

どんなに追い掛けても追いつけない。それどころか距離はどんどん開くばかり。

『ぃやっ…ひかるっ!まって…っ……僕を置いて行かないでっ!!』



「………る。かおるっ」


僕はゆっくり目を開けた。目を開けるとまだ夜は明けてないようだ。
夢か………


「ぇ!?…馨!?」

安心したら涙が出てきた。
「ひか……っこわ、かった…うっ…ぇ…」

「馨!?馨!!大丈夫だよ、どんな夢か僕に話して見て」

「…ひかるが…僕を…っ置いてちゃった、の………」


うん、うん。と優しく聞いてくれる光。
こんな時だけお兄ちゃんみたいだなぁ、なんて思う。


「…そっか。でも、僕は馨を置いてなんか行かないよ。絶対、」


「うん……」


「じゃあ今日は一緒のベッドで寝よっか」

「うん…」


「馨が寝るまで起きてるから」

「うん、あり…が、と…」

僕はゆっくりと夢の中へ堕ちていった。


『光っ!どこにいるの……』

『馨』

振り返ると光が立っていた。

『光っ!!』

『僕はどこにも行かないよ、僕には馨だけだよ』

僕の一番大好きな笑顔で言ってくれた。


光は僕の夢の中に現れて優しくキスをしてくれた。










(淡い夢の中で、)
(君は僕を見つけてくれた)

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