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□4.甘く揺れる髪に、
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4.甘く揺れる髪に、
揺れゆら
君のその甘く、揺れる髪に僕は、触れたくてたまらない。
いつからだろう、僕が馨のことを目で追うようになったのは。
気がつけば目で追っていた。
君のその、僕と似ているけれどどこか違う、ぱっちりとした目。
僕よりも幾分高い鼻。
ピンク色の唇。
僕よりも少し細い体。
そして、僕よりも柔らかく思わず触りたくなるような、髪。
あぁ、触れたくてたまらない。
「…ひかる…?さっきから口開いてるけど大丈夫…?」
「わぁ!?どっ…どうしたの!?」
僕また変なこと考えてた…
まさか、まさか涎なんて垂らしてないよね………
「どうしたの、はこっちのセリフ。光っては最近おかしくない?」
それは…馨のことを考えててvV
……なんて言えるわけないだろ!!
てゆーか、風呂上がりの馨も可愛い!
ああ、言ってしまいたい。
でも言ったら今の関係は終わり、馨とは気まずくなる。
いや、馨は無理をしてでも僕と付き合ってくれるのかな…?
でも心が僕に向いていないなら意味がない。
言わないでおこう。
「馨、髪乾かしてあげるよ」
だからせめて、僕からの精一杯の"好き"のサイン。
(甘く揺れる髪に、)
(どうか、どうか僕の想いに気づいて)