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□1.『将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんです』
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1.『将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんです』
「かおるの将来の夢って何?」
何気なく聞いてくる光。
光はさっきまでゲームをしていて、僕は本を読んでいて。
突然聞いてくるもんだから僕はなんとも間抜けな声を出してしまった。
「へ?………」
「だからぁー馨の夢は何?」
改めてそう言われると困るが、僕にだってちょっとした夢がある。
「じゃあ光の夢は?」
「んー……あるけど…馨怒んない?」
「は!?………一体どんな夢なんだよ……」
なんか嫌な予感が…するかも。
「馨…怒んない?」
「…聞いてから考える」
「えぇ!?絶対、ぜぇーったい怒んないでね?」
「いいから言ってよ」
「えっと……僕の夢は…馨をお嫁に貰うことですっ」
えへっと笑う光。
「…………」
何も言わずうつむく僕を心配して覗き込んでくる光。
「馨?怒った?」
「ばっかじゃないの!!//ばかひかるっ」
多分今の僕の顔は真っ赤なんてもんじゃない。
真っ赤な僕の顔を見てにやにやする光。
「で、馨の夢は?」
もしかして僕と同じとかー?なんて言ってさらににやにやしてる。
「はぁ!?//そんなわけないでしょっ!」
将来の夢は光のお嫁さんになることです、
なんて言えるかよっ
馬鹿っ!!
以心伝心
(将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんです)
(ぜぇーったいそんなこと言ってやらないんだからっ)