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□3.兄弟喧嘩は痴話喧嘩
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「っっ!…光の馬鹿!もう口きかないからっ」
「ぇっ…か、かおるっ!」
バタンッ
音楽室の扉が勢いよく閉まる。
馨を怒らせた。
理由?そんなの僕は思ったことを言ったまでだよ。
「はぁ…どうしたのだ?もうすぐ部活が始まるんだが」
「…僕はただ昨日の馨のことを鏡夜先輩に言っただけだよ」
「…なんて言ったの?」
気がつけば僕の周りには部員全員が集まっていた。
「…いや、ただ僕は昨日の馨が僕にいつも以上に甘えてきてかわいかったって言っただけだよ……そしたら鏡夜先輩が"それは見物だな。今度撮らせて貰おう"って言って僕がいやだって言って……」
「「「それは怒るだろ(でしょ)(ね〜)」」」
「え!?なんで!」
「光ってば本当デリカシーないね」
「…それは…その…夜の、……だろ?そんなこと言ったら怒るのは当たり前ではないのか?//」
「ちょっと!殿何赤くなってんのさっ!馨は渡さないからね!!」
「それで、光。馨を追い掛けなくていいのか?」
「!!僕、ちょっと馨探して来るっ」
バタンッ
「やれやれですね」
「…全く世話の妬ける」
「馨っかおる!!」
学院の中を走り回って早10分。
馨が後いきそうな所は…
…いた。やっぱりあの教室に。
僕らが授業サボる時に使う教室。
そこは準備室みたいなもので、たいして広くはないが僕らのお気に入りだ。
「はぁっ…は、ぁ。かおる!!ごめん!」
「……ひかる」
僕は馨の元に近づき優しく抱きしめる。
「っ!!//」
「馨、ごめん。…僕は鏡夜先輩に馨が取られそうで馨は僕のものだってわからせたくて………」
「光……心配しなくたって僕は光のだよ」
どちらかともなく口づける。
「「……ごめんね」」
痴話喧嘩は犬も喰わない
(全く…困ったもんだな)
(あれは兄弟喧嘩と言うより痴話喧嘩だな)