幸せな時

□二話
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「…シードでは無いのなら、何処から来た」
「…北瓜中学校」
「北瓜…聞いたことあるか?」
「いや…無い。やはり怪しいな…」

円堂と鬼道に見付かってしまった二人は逃げる事も無言で過ごす事も出来ない。
二人が中学校名を聞いたことが無いのは当然だ。この世界には存在しないのだから。
そんな事を簡単に説明出来るものならしているが説明したところで信じてもらえる可能性は低い。
分かっているからこそ二人は困り、焦る。

「……まぁ、いい。名前をまだ聞いていなかったな。俺は鬼道有人だ」
「円堂守だ。お前達の名前は?」
「羅那、樋立」
「…大幹茅汰」
「兄弟では無いのだな」
「幼馴染み。…ただの幼馴染みや」
「そっか!あ、サッカー部員何処に行ったか知らないか?」
「……」
「……」

名乗り終わった二人。
だが、円堂の言葉に二人は顔を合わせ、苦笑を漏らした。

「知っているんだな?」
「知ってる言うかなんて言うか…私ら追っかけとったんよ」
「まぁ、こいつのおかげで見付からんと此処に戻って来れてんけどな」
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