幸せな時
□四話
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ーーーー数十分前。
一方、神童家では。
「……なんや、これ…」
茅汰は絶句した。
目の前には見たことのない豪邸。
まず、入り口の門が大きいこと。
門を通ってから玄関までの距離が結構あること。
何より、家が想像以上に大きいこと。
立て続けに驚くことばかりで茅汰は混乱している。
「え、と…神童…やったっけ?」
「はい。どうかしましたか?」
「いや、その、え。何?金持ち?」
「え、そうでもないですよ?」
「何やそれ?!俺に喧嘩売っとんか?!買ったるで?!」
「えぇ?!そんなつもりじゃないです!気に障ったのなら謝ります、すみません!」
わざとなのか天然なのか。
神童の場合は後者だろう。
一般人からしたらこんな豪邸に住んでいる人なんて、金持ちとしか考えられない。
茅汰はイナズマイレブンを全く知らないわけである。この豪邸を見て驚くのも仕方が無い。
気を取り直して二人は屋内に入る。
扉を開けた先には数名のメイドと執事が並んでいた。
「おかえりなさいませ」
一同は声を揃え、深く頭を下げる。
その様子にまたもや絶句。
ドラマやアニメでは見たことはあるが、実際にされるなど思ってもいなかったのだろう。
誰しもがそうだと思う。
そんな茅汰を置いといて神童はメイド達に軽く挨拶をする。