復活

□貴方の心臓が欲しい
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「……ひ、雲雀…?」

時刻は14時15分。
普通なら教室で授業を受けている時間。
でもそんなこと僕には関係ないな。

今僕の目の前で怯えているこの子を見ているとゾクゾクする。
堪らない。

僕が九々奈を呼び出した事に特に理由はない。
呼び出したかったから呼び出した、ただそれだけ。
僕になら誰も逆らわない。皆従う。
文句は言いつつも呼び出せば来てくれるこの子もそう。

いつもは威勢が良いのに、今日は弱々しい。
僕を怖がってるのかな。やっと君が弱まる姿を見れた。

彼女は今、僕の下に…僕に押し倒されている状態でいる。

「な、何…?」
「何って…何も?」

身動きが取れないように馬乗りになる。
重いのか表情が少し歪む。これもまた堪らない。

「ねぇ、僕が怖いの?何時もは喧嘩でも売ってるのかってくらい強気なのに」
「そりゃ、いきなり呼び出されてこんな状態になれば誰だって怖がるでしょ…」

僕の質問にあっさりと答える事ができるってことは、まだ余裕があるってことだね。
もうちょっと怖がらせたら、その余裕も…なくなるかな?

「ひっ…な、何…?や、やだ…っ」

彼女の首筋に軽く触れる。
それだけで体を震わせるだなんて、可愛いね。もっと虐めたくなる。

恐怖と羞恥から顔を逸らす彼女。
顔を安定させて唇を重ねた。
もちろん、拒絶されてる。
悲しいな。僕は君をこんなにも想っているのに。君の何もかもを手に入れたい。僕のものにしたい。

方向を変えながら唇を擦り付ける。
少し隙を与えると呼吸をしようと口を開いた。その隙に舌を入れ、口内を掻き乱す。

息苦しそうな甘い声が応接室に響き渡る。

「っ、はぁ…なに、すんの…!」

唇を離してやると顔を真っ赤に、目に涙を溜めながら訴えてくる。
そう、そんな顔が見たかったんだよ、僕は。

「君はいつになったら僕を見てくれるの?」
「…え?」
「僕はいつだって君だけを見てるのに。…君が欲しい。君だけが欲しい。どうしたら手に入る?」

一度口を開いたら次から次へと繋がる。
止まらない。止まることを知らない。
困っている彼女なんて関係ない。

「欲しい。欲しい。君は僕だけを見ていればいい。他の奴なんて見るな」
「雲雀…?なに、どうしたの…?」
「……あぁ、そうか」
「え?」

不思議そうに見つめてくる九々奈に僕は構わず彼女の胸元に手を添えた。
突然のことで驚き、体をビクつかせる彼女がとても可愛らしい。

「君の心臓が欲しい。…くれるよね?」





そう言うと、君は一気に青ざめた表情をしたね。
そういうところももちろん好きだよ。
この心臓を頂いたら、君の様々な表情は見れなくなる。それでも、これからもずっと一緒に居れると考えたら、僕は嬉しくて堪らない。

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