復活

□幸せになってよ
1ページ/1ページ



好き。昔からずっと、好き。
でもきっと貴方は私のことをなんとも思ってないと思う。思っていてくれていても妹みたいな存在ってだけだと思う。

6つも離れてるこの年はどうしても埋めれるものじゃない。
スクは大人で、私はまだ子供。
見向きもされない。


何かあるとすぐ、スクの元へ行ったいた。
何でかわかる?
スクが好きだったからだよ。ガキのくせに生意気なって言われるかもしれない。
でも、スクと一緒に暮らすようになってしばらくしてからずっとずっと、この気持ちは変わらなかった。

この6年間、私はずっとスクのことが好き。

「スクさー、彼女とか作んないの?」

今日も変わらずスクの部屋に入り浸る。
ベッドに座りながら剣を磨く彼に少しバカにしたように問いかけると彼は眉間にシワを寄せて私を見た。

ずっと私を見ていて欲しい。私だけを。

「んな暇ねぇ」

素っ気なく答えられた。
それは暇さえあればいくらでも作るってことなのかな。
どうせ、私の気持ちには気付いてくれない。

「えー、もったいな。かっこいいし強いからモテそうなのに。あ、でもそんな綺麗な髪の毛だと嫉妬されるかもね?」

本心を交えて笑いながら言う。

「何が言いてえんだぁ?」
「早く作らなきゃ独り身のまま年取ってくよって」
「余計なお世話だ」

深いため息をつかれた。
鬱陶しがられたかな。


私はね、スクが選んだ人なら誰だって構わない。
スクが幸せになるのなら心から応援する。
こうして部屋に入り浸ることもやめる。
髪の毛を弄ることもやめる。

だからさ

「もし彼女が出来たら教えてね」

そう言った私は上手く笑えてたかな。
私は誰よりもスクの幸せを願うよ。





fin.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ